技術系 材料力学

【演習】断面二次モーメント

*PR アフィリエイト広告を利用しています

断面二次モーメントの導出は、構造解析や設計において重要な要素です。断面二次モーメントは、構造物の強度や剛性を評価するための指標として使用されます。この記事では、断面二次モーメントの理論式と具体的な形状(矩形、円形、台形)に対する導出手順を詳しく解説します。途中計算も含め、各形状における断面二次モーメントの求め方を理解しましょう。

[toc]

① 理論式

断面二次モーメントの理論式は以下の通りです:

\[ I = \int (y^2) \, dA \]

ここで、yは断面内の点Pの中心軸からの距離を表し、dAは微小な面積要素を示します。積分は、断面の全ての微小な面積要素に対して行われます。

② 矩形の断面二次モーメントの導出

矩形の場合、断面二次モーメント(I)の導出手順は以下の通りです:

  1. 微小な面積要素の座標を(x, y)と設定します。
  2. 微小な面積要素の面積dAを計算します。矩形の場合、微小な面積要素の面積は定数であり、以下の式で表されます:

\[ dA = dx \cdot dy \]

  1. 各微小な面積要素に対して、\(y^2 \cdot dA\)を計算します。矩形の場合、yは定数であり、以下の式で表されます:

\[ y = \frac{h}{2} \]

  1. 計算された値を積分します:

\[ I = \int y^2 \cdot dA \]

  1. 積分を実行し、式を解くことで断面二次モーメントを求めます。

具体的な例

例として、幅(b)が4 cm、高さ(h)が6 cmの矩形の断面二次モーメントを導出してみましょう。

計算手順は以下の通りです:

  1. 微小な面積要素の座標を(x, y)と設定します。
  2. 微小な面積要素の面積dAを計算します:

\[ dA = dx \cdot dy = dx \cdot (y \, dy) \]

  1. \(y^2 \cdot dA\)を計算します:

\[ y^2 \cdot dA = \left(\frac{h}{2}\right)^2 \cdot (dx \cdot (y \, dy)) = \frac{h^2}{4} \cdot (dx \cdot dy) \]

  1. 積分を実行します:

\[ I = \int y^2 \cdot dA = \int \frac{h^2}{4} \cdot (dx \cdot dy) \]

  1. 積分を実行し、計算された値を代入します:

\[ I = \frac{h^2}{4} \int (dx \cdot dy) = \frac{h^2}{4} \cdot (b \cdot h) = \frac{b \cdot h^3}{12} \]

したがって、幅が4 cm、高さが6 cmの矩形の断面二次モーメントは\(\frac{4 \cdot 6^3}{12} = 144 \, \text{cm}^4\)となります。

③ 円形の断面二次モーメントの導出

円形の場合、断面二次モーメント(I)の導出手順は以下の通りです:

  1. 微小な面積要素の座標を(r, \theta)と極座標系で設定します。
  2. 微小な面積要素の面積dAを計算します。極座標系では、微小な面積要素の面積は定数であり、以下の式で表されます:

\[ dA = r \, dr \, d\theta \]

  1. 各微小な面積要素に対して、\(r^2 \cdot dA\)を計算します。円形の場合、\(r^2\)は定数であり、以下の式で表されます:

\[ r^2 = R^2 \]

  1. 計算された値を積分します:

\[ I = \int r^2 \cdot dA \]

  1. 積分を実行し、式を解くことで断面二次モーメントを求めます。

具体的な例

例として、半径(R)が8 cmの円形の断面二次モーメントを導出してみましょう。

計算手順は以下の通りです:

  1. 微小な面積要素の座標を(r, \theta)と極座標系で設定します。
  2. 微小な面積要素の面積dAを計算します:

\[ dA = r \, dr \, d\theta = (R \, dr) \, d\theta \]

  1. \(r^2 \cdot dA\)を計算します:

\[ r^2 \cdot dA = (R^2 \cdot dr) \, d\theta \]

  1. 積分を実行します:

\[ I = \int r^2 \cdot dA = \int (R^2 \cdot dr) \, d\theta \]

  1. 積分を実行し、計算された値を代入します:

\[ I = \int (R^2 \cdot dr) \, d\theta = \left(R^2 \cdot \int dr\right) \, \int d\theta = R^2 \cdot (r \, \Delta\theta) = R^2 \cdot (\theta_2 - \theta_1) \]

したがって、半径が8 cmの円形の断面二次モーメントは\(R^2 \cdot (\theta_2 - \theta_1)\)となります。

④ 台形の断面二次モーメントの導出

台形の場合、断面二次モーメント(I)の導出手順は以下の通りです:

  1. 微小な面積要素の座標を(x, y)と設定します。
  2. 微小な面積要素の面積dAを計算します。台形の場合、微小な面積要素の面積は定数であり、以下の式で表されます:

\[ dA = dx \cdot dy \]

  1. 各微小な面積要素に対して、\(y^2 \cdot dA\)を計算します。台形の場合、yはxに関数として表され、以下の式で表されます:

\[ y = \frac{h}{b} \cdot (x - a) \]

  1. 計算された値を積分します:

\[ I = \int y^2 \cdot dA \]

  1. 積分を実行し、式を解くことで断面二次モーメントを求めます。

具体的な例

例として、上底の長さ(a)が4 cm、下底の長さ(b)が8 cm、高さ(h)が6 cmの台形の断面二次モーメントを導出してみましょう。

計算手順は以下の通りです:

  1. 微小な面積要素の座標を(x, y)と設定します。
  2. 微小な面積要素の面積dAを計算します:

\[ dA = dx \cdot dy = dx \cdot \left(\frac{h}{b} \cdot (x - a)\right) \]

  1. \(y^2 \cdot dA\)を計算します:

\[ y^2 \cdot dA = \left(\frac{h}{b} \cdot (x - a)\right)^2 \cdot (dx \cdot \left(\frac{h}{b} \cdot (x - a)\right)) = \frac{h^2}{b^2} \cdot (x - a)^3 \cdot dx \]

  1. 積分を実行します:

\[ I = \int y^2 \cdot dA = \int \frac{h^2}{b^2} \cdot (x - a)^3 \cdot dx \]

  1. 積分を実行し、計算された値を代入します:

\[ I = \int \frac{h^2}{b^2} \cdot (x - a)^3 \cdot dx = \frac{h \cdot (a^3 + b^3 + a \cdot b^2 - a^2 \cdot b)}{12} \]

したがって、上底の長さが4 cm、下底の長さが8 cm、高さが6 cmの台形の断面二次モーメントは\(\frac{6 \cdot (4^3 + 8^3 + 4 \cdot 8^2 - 4^2 \cdot 8)}{12} = 840 \, \text{cm}^4\)となります。

まとめ

断面二次モーメント導出の、具体例を紹介しました。途中計算がよく理解できない方は参考にしてください。

 

材料力学 (JSMEテキストシリーズ)

材料力学を基礎から学びたい人むけの参考書。
練習問題を通して、材料力学の考え方を学べます。

JSMEは日本機械学会が
出版している本です。

どんな本がいいかわからない
という人は、最初に手に取ってみては
いかがでしょうか。

材料力学(JSMEテキストシリーズ)をAmazonで見てみる

 

材料力学 (機械系教科書シリーズ)

こちらも同じく材料力学を基礎から学びたい人むけの参考書。

大学の授業でも
教科書として使われています。

基礎から学ぶのには
便利な一冊です。

材料力学 (機械系教科書シリーズ)をAmazonで見てみる

材料強度学 (機械系 教科書シリーズ)

こちらは材料科学です。

はりの曲げや降伏応力といった
工学的観点ではなく、
材料の性質について学べます。

たとえば、
分散強化や固溶強化の材料が
強度が高い理由や、転移やすべりなど、のメカニズムを
理解できます。

強度設計よりも、
なぜ、この材料が強いのか?や
どんな材料を作れば強度が上がるかを
理解するのに役立つ本です。

材料強度学 (機械系 教科書シリーズ)

  • この記事を書いた人

だるまる

製造業のものづくりエンジニア|計算力学技術者固体1・2級|CAEと材料力学を武器に製品開発を実施|自分の中でのCAEの使い方・勘所を書きます

-技術系, 材料力学