技術系 材料力学

材料力学の基礎:曲げ応力とはりのたわみ

*PR アフィリエイト広告を利用しています

曲げ応力とはりのたわみ、これらは一見難解な概念に思えるかもしれません。しかし、私たちの周囲の建物や構造物の設計に欠かせないこれらの理論を理解すれば、設計の背後にある科学をより深く理解することができます。本記事では、これらの基本概念から具体的な計算方法までをわかりやすく解説します。

[toc]

曲げ応力とは

エンジニアリングの世界では、様々な力が物体に作用します。その中でも、「曲げ応力」は特に重要な概念です。曲げ応力とは、物体が外力によって曲げられるときに生じる内部の応力のことを指します。たとえば、ブリッジやビルの骨組み、そして日常生活で見かける物体の多くは、この曲げ応力を理解し、設計されています。

曲げ応力は、物体が曲がるときにその内部で生じる力が、物体自体の面積に対してどのくらい働いているかを表します。ここで、力が大きければ大きいほど、また面積が小さければ小さいほど、曲げ応力は大きくなります。つまり、同じ素材の棒を考えたとき、細い棒ほど簡単に曲がり、その曲げ応力も大きくなります。

 はりのたわみとは

次に、「はりのたわみ」という概念について解説しましょう。はりのたわみとは、はりが外力により変形する現象を言います。例えば、棒状の物体に重りを下げたとき、棒は直線形状から曲線形状に変形します。この変形量を「たわみ」と呼びます。

たわみは、物体の変形を予測し、その限界を理解するために重要な概念となります。建物やブリッジ、車両などの設計時には、物体がどの程度たわむかを計算し、それが許容範囲内であることを確認します。このたわみが大きすぎると、物体は壊れたり、機能しなくなる恐れがあります。

はりのたわみ計算方法と公式

 

$$ \delta = \frac{{F \cdot L^3}}{{3 \cdot E \cdot I}} $$

ここで、

  • \(\delta\)はたわみ量、
  • Fは作用する力、
  • Lははりの長さ、
  • Eは材料のヤング率(材料の剛性を示す指標)
  • Iは断面二次モーメント(断面形状の指標)

この公式を使用することで、はりのたわみ量を計算することが可能です。

4曲げ応力の計算方法と公式

最後に、曲げ応力の計算方法について解説します。曲げ応力は、はりに作用する力と断面特性により決まります。

計算式は以下のとおりです。

$$ \sigma = \frac{{M \cdot y}}{{I}} $$

ここで、

  • \(\sigma\)は曲げ応力、
  • Mは曲げモーメント(力とその作用点の距離の積)、
  • yは中立軸からの距離、
  • Iは先ほどと同じく断面二次モーメント

を表します。

この公式を利用することで、任意の断面における曲げ応力を求めることができます。

5まとめ

以上、曲げ応力とはりのたわみについての基本的な理論と計算方法を解説しました。これらの概念は、エンジニアリングの様々な分野で用いられ、我々の生活の中に潜んでいます。構造物が安全に機能するためには、これらの応力と変形を理解し、適切に設計することが求められます。私たちは、日々の生活の中で、このような構造物の設計により安全に過ごしているのです。

 

 

材料力学 (JSMEテキストシリーズ)

材料力学を基礎から学びたい人むけの参考書。
練習問題を通して、材料力学の考え方を学べます。

JSMEは日本機械学会が
出版している本です。

どんな本がいいかわからない
という人は、最初に手に取ってみては
いかがでしょうか。

材料力学(JSMEテキストシリーズ)をAmazonで見てみる

 

材料力学 (機械系教科書シリーズ)

こちらも同じく材料力学を基礎から学びたい人むけの参考書。

大学の授業でも
教科書として使われています。

基礎から学ぶのには
便利な一冊です。

材料力学 (機械系教科書シリーズ)をAmazonで見てみる

材料強度学 (機械系 教科書シリーズ)

こちらは材料科学です。

はりの曲げや降伏応力といった
工学的観点ではなく、
材料の性質について学べます。

たとえば、
分散強化や固溶強化の材料が
強度が高い理由や、転移やすべりなど、のメカニズムを
理解できます。

強度設計よりも、
なぜ、この材料が強いのか?や
どんな材料を作れば強度が上がるかを
理解するのに役立つ本です。

材料強度学 (機械系 教科書シリーズ)

  • この記事を書いた人

だるまる

製造業のものづくりエンジニア|計算力学技術者固体1・2級|CAEと材料力学を武器に製品開発を実施|自分の中でのCAEの使い方・勘所を書きます

-技術系, 材料力学
-, , ,