CAE 技術系

【深堀】要素の形状と次数

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有限要素法(Finite Element Method, FEM)において、要素の形状と次数は解析の精度や計算効率に大きな影響を与えます。ここでは、高次要素と低次要素の比較について詳しく見ていきます。解析の目的や対象となる構造物の特性に応じて、適切な要素の選択が重要です。

高次要素とは?

高次要素は、複雑な形状をより正確に表現できる要素です。これにより、解析結果の精度が向上します。高次要素は多くの自由度を持ち、曲線や曲面の形状を正確に近似することができます。例えば、二次要素(Quadratic Element)は、3つの節点を持ち、二次曲線で形状を表現します。

低次要素とは?

低次要素は、形状の表現能力に制約がありますが、計算効率が高い特徴があります。線要素(Linear Element)は、2つの節点を持ち、直線的な形状を表現します。形状の単純さから、大規模な解析や複数の要素を組み合わせた解析に適しています。

高次要素と低次要素のメリット・デメリット

高次要素のメリットは、複雑な形状の表現能力が高いことです。これにより、精度の向上や曲線・曲面の形状の正確な近似が可能になります。一方、高次要素は節点数が増えるため、計算コストが増えるデメリットもあります。

低次要素のメリットは、計算効率の高さです。節点数が少ないため、大規模な解析に適しています。しかし、形状の表現能力に制約があり、精度面では高次要素に劣ることがあります。

適切な要素の選択の重要性

適切な要素の選択は、解析の目的や対象となる構造物の特性に応じて行う必要があります。詳細な解析や高い精度が求められる場合は高次要素を選択し、大規模な解析や計算効率が重視される場合は低次要素を選択することが重要です。解析の目的と要素の特性を適切にバランスさせることで、効果的な解析結果を得られます。

まとめ

要素の形状と次数は、有限要素法における解析の精度と計算効率に大きな影響を与えます。高次要素は複雑な形状の表現能力が高く、精度の向上が期待できますが、計算コストも高くなります。一方、低次要素は計算効率が高い特徴がありますが、形状の表現能力には制約があります。解析の目的や対象となる構造物の特性に応じて適切な要素を選択することが重要です。適切なバランスを保ちながら要素を選択することで、効果的な解析結果を得られるでしょう。

 

 

参考文献

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  • この記事を書いた人

だるまる

製造業のものづくりエンジニア|計算力学技術者固体1・2級|CAEと材料力学を武器に製品開発を実施|自分の中でのCAEの使い方・勘所を書きます

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