CAE 技術系

CAEソフトウェアの主要機能解説:ソルバー&プリプロセッサー&ポストプロセッサー

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CAEソフトウェアは、エンジニアリングの設計・解析プロセスにおいて重要な役割を果たします。その中でも特に注目すべき機能がソルバー、プリプロセッサー、ポストプロセッサーです。本記事では、それぞれの機能を詳しく解説していきます。

ソルバーとは何か?基本原理と解析手法の紹介

ソルバーの役割とは?

ソルバーは、CAEソフトウェアにおいて解析計算を行う主要なモジュールです。物体やシステムの物理的な挙動を予測するための数学的な問題を解く役割を果たします。

ソルバーの基本原理とは?

ソルバーは、基本的に有限要素法や有限体積法などの解析手法を利用して解析を行います。これらの手法に基づいて、静的解析、動的解析、熱解析などさまざまな解析手法が実現されています。

静的解析、動的解析、熱解析などの解析手法

ソルバーは、静的な力学解析や動的な振動解析、熱伝導解析など、さまざまな解析手法をサポートしています。それぞれの解析手法には、適用される物理法則や数学モデルが異なります。

ソルバーの応用例と実際の解析プロセスの流れ

ソルバーは様々な応用領域で使用されています。例えば、建築構造の耐震解析や車両のクラッシュシミュレーションなどがあります。解析プロセスは、モデルの作成、材料や境界条件の設定、解析の実行、結果の評価などのステップで構成されます。

プリプロセッサーの役割と基本機能の紹介

プリプロセッサーの役割とは?

プリプロセッサーは、ソルバーのための入力データを準備するためのモジュールです。CADデータのインポートやジオメトリの前処理、材料特性や境界条件の設定などを行います。

CADデータのインポートとジオメトリの前処理

プリプロセッサーは、CADデータをCAEソフトウェアにインポートし、解析に適した形式に変換します。また、ジオメトリの前処理では、不要な部分の削除やモデルの修正、メッシュ生成のための領域分割などを行います。

材料特性や境界条件の設定

プリプロセッサーでは、材料特性や境界条件などの解析に必要なパラメータを設定します。例えば、物体の材料特性や接触条件、荷重や拘束条件などを指定します。

メッシュ生成と品質管理の手法

プリプロセッサーは、解析領域を要素に分割するメッシュ生成を行います。適切なメッシュサイズと要素形状の設定が重要であり、品質管理手法によってメッシュの精度や解析結果への影響を評価します。

ポストプロセッサーの機能と解析結果の評価方法

ポストプロセッサーの役割とは?

ポストプロセッサーは、解析結果の可視化や評価を行うためのモジュールです。解析結果のグラフ化や応力・ひずみ・温度分布の評価、モード形状や時系列データの解釈などをサポートします。

解析結果の可視化とグラフ化

ポストプロセッサーでは、解析結果を直感的に理解できるように可視化します。デフォルメーションプロットや応力分布の表示、断面力や温度分布のグラフ化などが一般的な機能です。

応力、ひずみ、温度分布の評価

ポストプロセッサーでは、解析結果から得られる応力、ひずみ、温度分布などを評価します。これにより、設計の信頼性や強度評価などが可能となります。

時系列データやモード形状の解析結果の解釈

ポストプロセッサーは、時系列データやモード形状などの解析結果を解釈するための機能も提供します。例えば、振動解析の結果から共振周波数やモードシェイプを把握し、設計改善に活用することができます。

ソルバー、プリプロセッサー、ポストプロセッサーの連携とワークフロー

ソルバーとプリプロセッサーの連携とデータの受け渡し

ソルバーとプリプロセッサーは、密接に連携して解析プロセスを構築します。プリプロセッサーで作成したモデルや設定情報は、ソルバーに渡されて解析が実行されます。データの受け渡しは、ファイル形式やデータベースを介して行われます。

プリプロセッサーとポストプロセッサーのデータ連携と解析結果の表示

プリプロセッサーとポストプロセッサーも連携して、解析結果を表示・評価します。解析結果のデータやメッシュ情報などは、ポストプロセッサーに渡されて可視化や解析結果の評価が行われます。

ソルバー、プリプロセッサー、ポストプロセッサーのワークフローと最適な解析プロセスの構築

ソルバー、プリプロセッサー、ポストプロセッサーは、連携して最適な解析プロセスを構築します。これには、ワークフローの設計や効率的なデータのやり取り、解析結果の評価方法などが重要です。適切なワークフローを構築することで、解析の効率化と信頼性の向上が図られます。

まとめ

CAEソフトウェアのソルバー、プリプロセッサー、ポストプロセッサーは、エンジニアリングの設計・解析プロセスにおいて不可欠な役割を果たします。ソルバーは解析計算を行い、プリプロセッサーは入力データの準備、ポストプロセッサーは解析結果の可視化と評価を担当します。これらの機能は連携してワークフローを構築し、解析の効率化と信頼性の向上に貢献します。CAEソフトウェアの活用は、エンジニアリングの進歩に不可欠な要素です。

 

参考文献

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図解 設計技術者のための有限要素法はじめの一歩 (KS理工学専門書)

有限要素法(CAE)を会社に入社してから触る人、初めてCAEを触る人にオススメの本。

一方で、熟練のCAE技術者には物足りないでしょう。

ブラックボックスであるCAEがどのような理屈で計算されているかがわかります。

計算の中身がわからない気持ち悪いという方も読んでみるといいですよ。

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計算力学(第2版):有限要素法の基礎

こちらも計算力学の計算手法を解説している参考書です。

CAEの計算手法を例題を用いて丁寧に解説しています。

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そのため、「ソフトを使用して計算できればいい」という方には必要ないでしょう。

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<解析塾秘伝>CAEを使いこなすために必要な基礎工学!

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もしかしたら、あなたの悩んでいた事例も載っているかもしれません。

こちらも手元に残しておきたい一冊です。

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強度検討のミスをなくす CAEのための材料力学

こちらも実践的な一冊です。

材料力学で学ぶ降伏応力やひずみを実製品でどのように適用すればよいのか

その考え方が学べます。

用語とかは覚えたけど、どんな使い分けすればいいのやどんな物理的意味なの

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  • この記事を書いた人

だるまる

製造業のものづくりエンジニア|計算力学技術者固体1・2級|CAEと材料力学を武器に製品開発を実施|自分の中でのCAEの使い方・勘所を書きます

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