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有限要素法入門:初心者でも分かる解説と具体例

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「有限要素法」とは、現代の工学や設計において欠かせない解析手法です。構造物の強度評価や物体の応力解析など、さまざまな問題に対して有効に活用されています。しかし、初めてこの手法に触れる人にとっては、その基礎や応用方法が理解しづらいという悩みもあることでしょう。

そこで本記事では、初心者の方にも分かりやすい形で有限要素法について解説していきます。

 

有限要素法(FEM)とは?

有限要素法(FEM)は、構造解析や材料力学の分野で広く活用される数値解析手法です。この手法は、複雑な構造物や物体の挙動をモデル化し、数学的な問題として解析することによって、応力や変形の分布を詳細に理解することができます。

具体的には、物体を有限個の要素に分割し、それぞれの要素内での変形や応力を計算します。これにより、全体の挙動を求めることが可能となります。有限要素法(FEM)は、現実の問題をシミュレーションし、設計や解析の際に重要な情報を提供する強力なツールです。

【誰でもわかる】有限要素法(FEM)の基礎原理を解説!

有限要素法(FEM)の基礎原理を理解するために、弾性体の変形問題を例に解説します。

例えば、伸び縮みするバネを有限要素法(FEM)で解析する場合、バネを数個の要素に分割します。それぞれの要素には変位や応力が発生し、要素同士の接合点では力のつり合いが成り立ちます。これらの要素ごとの変位や力の関係を連立方程式にまとめ、解析することで、全体の変位や応力を求めることができます。

有限要素法(FEM)は、このように要素ごとの挙動を考慮し、全体の解析結果を得る手法です。要素の形状や大きさ、素材の性質、境界条件など、解析に必要なパラメータを適切に設定することで、より正確な結果を得ることができます。

有限要素法(FEM)と有限体積法(FVM)の違い

有限要素法(FEM)に似た手法に有限体積法(FVM)があります。有限要素法(FEM)と有限体積法(FVM)は、数値解析手法の一種ですが、アプローチには違いがあります。

有限要素法(FEM)では、物体を要素に分割し、要素ごとの変形や応力を解析します。物体の挙動を微小な要素に分けることで、詳細な解析が可能です。

一方、有限体積法(FVM)では、物体をボリュームに分割し、その範囲内での物理量の変化を考慮します。物体内部の微小領域における平均的な性質を求めることで、全体の挙動を解析します。

つまり、有限要素法(FEM)は応力や変形を解析する手法であり、有限体積法(FVM)は物理量の変化を解析する手法です。

具体例で学ぶ有限要素法(FEM)の応用

有限要素法(FEM)は、さまざまな工学分野で応用されています。以下に具体的な例を挙げて解説します。

  • 構造物の解析: 有限要素法(FEM)は、建築物や橋梁、航空機などの構造物の強度や安全性を評価するために利用されます。物体を要素に分割し、材料の応力や変形を解析することで、構造物の挙動を予測することができます。
  • 車両の衝突解析: 有限要素法(FEM)は、自動車や鉄道車両などの衝突時の挙動を解析するのにも活用されます。車体や構造部品を要素に分割し、衝撃による変形や応力を評価することで、安全性の向上や設計の最適化に貢献します。
  • 材料の特性評価: 有限要素法(FEM)は、材料の弾性特性や熱応答などの評価にも使用されます。材料の微小領域を要素としてモデル化し、物理的な挙動を解析することで、材料の特性を評価することが可能です。

これらの具体例からもわかるように、有限要素法(FEM)は工学分野で幅広く活用されています。応用範囲は多岐にわたり、さまざまな問題の解析や設計において重要なツールとなっています。

まとめ

本記事では、「有限要素法(FEM)の概要と基礎原理を解説!」「有限要素法(FEM)と有限体積法(FVM)の違い」「具体例で学ぶ有限要素法(FEM)の応用」と題して、初心者の方でも分かりやすい有限要素法(FEM)について解説しました。

有限要素法(FEM)は、物体の挙動を要素ごとに分割し、その詳細な解析を行う手法です。有限要素法(FEM)と有限体積法(FVM)はアプローチに違いがあり、それぞれの特徴を理解することが重要です。

有限要素法(FEM)は、現代の工学や設計の分野で欠かせないツールです。ぜひこの記事を参考にして、有限要素法(FEM)の基礎を学び、実務に活用してみてください。

参考文献

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計算力学(第2版):有限要素法の基礎

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  • この記事を書いた人

だるまる

製造業のものづくりエンジニア|計算力学技術者固体1・2級|CAEと材料力学を武器に製品開発を実施|自分の中でのCAEの使い方・勘所を書きます

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