技術系 材料力学

フォンミーゼス応力とは?基本のキを紹介

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フォンミーゼス応力は、材料力学や構造解析において重要な概念です。本記事では、フォンミーゼス応力の基礎をわかりやすく解説し、実務への応用方法についても具体的な例や数式を交えながら説明します。

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フォンミーゼス応力(相当応力)とは何か?

フォンミーゼス応力は、物体がどれだけ変形するかを表す指標であり、その物体が破壊される限界までどの程度の応力を受けられるかを評価する上で重要な役割を果たします。フォンミーゼス応力は、物体が塑性変形を起こす際に発生する応力を表現します。

 

単位

フォンミーゼス応力は、一般的にパスカル (Pa) またはメガパスカル (MPa) の単位で表されます。これは圧力や応力の一般的な単位です。

なお、一部の特定の応用分野では、他の単位系やカスタムの単位系が使用されることもありますが、一般的な工学や材料科学の文脈ではパスカルまたはメガパスカルがよく使用される単位です。

フォンミーゼス応力の理論式

フォンミーゼス応力の数式は以下の通りです:

\[ \sigma_{eq} = \sqrt{\frac{1}{2}[(\sigma_1 - \sigma_2)^2 + (\sigma_2 - \sigma_3)^2 + (\sigma_3 - \sigma_1)^2]} \] ここで、\(\sigma_1\)、\(\sigma_2\)、\(\sigma_3\)は主応力成分を表します。

ここで、\(\sigma_1\)、\(\sigma_2\)、\(\sigma_3\)は主応力と呼ばれる応力の値を表し、\(\sigma_v\)はフォンミーゼス応力を示します。この式は、主応力の値に基づいてフォンミーゼス応力を計算するためのものです。

各主応力成分の2乗と交差項を用いて、フォンミーゼス応力の大きさを求めることができます。この式は、材料の変形特性や破壊条件を評価する際に広く使用されています。

フォンミーゼス応力と主応力の関係

フォンミーゼス応力と主応力は密接な関係があります。主応力は材料内の応力状態を表すための基本的な指標であり、フォンミーゼス応力は主応力成分を利用して計算されます。

主応力は、材料内の応力テンソルの固有値とそれに対応する固有ベクトルによって表されます。応力テンソルは、応力の大きさとその方向を表す行列です。主応力は、この行列の固有値が示す応力の大きさを示し、対応する固有ベクトルが示す方向が主応力の方向となります。

一方、フォンミーゼス応力は、主応力成分を使用して計算されます。具体的には、各主応力成分の2乗と交差項を組み合わせて応力の大きさを求めます。フォンミーゼス応力は、主応力の組み合わせによって応力の大きさと方向を表します。

フォンミーゼス応力は主応力成分に基づいて計算されるため、主応力の値や方向が変化するとフォンミーズ応力も変化します。したがって、主応力の変化がフォンミーゼス応力にも影響を与えることになります。

総括すると、フォンミーゼス応力は主応力成分を利用して計算されるため、主応力と密接な関係があります。主応力の値や方向が変化すると、フォンミーゼス応力も変化し、材料の変形挙動や破壊条件を評価する際に重要な指標となります。

フォンミーゼス応力の利点

相当応力は、各主応力成分の差異とその間の相互作用を考慮して計算されるため、材料内の応力状態を総合的に表現することができます。このため、相当応力は、材料の強度や破壊条件を評価する際に広く使用されます。

相当応力の利点は、複数の主応力成分を1つの値で表現することで、材料の応力状態を簡潔に評価できる点にあります。多数の方向から受ける力を1軸の引張力に変換すると、どの程度の力であるのかを示しています。

したがって、相当応力は、材料工学や構造解析などの領域で重要な概念であり、材料の応力評価や設計において広く活用されています。

 

フォンミーゼス応力と降伏点

フォンミーゼス応力は多軸の応力を1軸の応力に換算した力と考えられます。つまり、フォンミーゼス応力が降伏応力よりも高い場合、降伏することを意味しています。

一般的な降伏応力は試験片を引張試験などを用いて、降伏点を測定します。また1軸の力のため、降伏応力の値も直感的に理解できます。

一方で、多軸応力がかかっている場合は降伏したかの判断がが難しくなるのです。

つまり、フォンミーゼス応力は多軸の応力がかかっている箇所が降伏しているかの判断基準になります。

ここで注意点。フォンミーゼス応力はスカラー量であるため、圧縮応力か引張応力かはわかりません。この点は気を付けてください。

 

まとめ

本記事では、フォンミーゼス応力の基礎と実務への応用について解説しました。フォンミーゼス応力は、材料力学や構造解析において重要な指標であり、材料の破壊条件や変形挙動の評価に役立ちます。具体的な応用例や数式を交えながら説明しましたので、これを参考にしてフォンミーゼス応力の理解と実務への応用に役立ててください。

 

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  • この記事を書いた人

だるまる

製造業のものづくりエンジニア|計算力学技術者固体1・2級|CAEと材料力学を武器に製品開発を実施|自分の中でのCAEの使い方・勘所を書きます

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